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2008年12月

2008年12月31日 (水)

『Blu-spec CD』を聴く。

Cimg2892aa12月22日、2枚の『Blu-spec CD』が大手通販から届き、さっそく聴いてみた。

その2枚は、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』とTOTOの『聖なる剣』で、いずれも音楽史に残る名盤である。

『明日に架ける橋』(1970年、CD化1988年)は、タイトル曲以外にも「コンドルは飛んで行く」、「いとしのセシリア」、「ボクサー」、「バイ・バイ・ラブ」等の名曲がぎっしり詰まっているアルバムであり、彼らの最後のアルバムでもある。

また、TOTO『聖なる剣(TOTOⅣ)』(1982年)は「ロザーナ」、「アフリカ」の名曲が収録さており、最優秀アルバム等グラミー賞6部門を受賞し、話題をさらった。~当時、私は、彼らのアルバムがグラミー賞を総なめにしたことに疑問を感じたものだったが…。~

2枚とも発売日は12月24日となっていたが、2日早く手にできたので、嬉々とし、じっくり聴いてみた。

『Blu-spec CD』のうたい文句は、

① 半導体レーザーカッティングによる極微細加工でマスターテープクオリティを忠実に再現

② 高分子ポリカーボネート採用によりジッター(ノイズ)の原因を低減、収録された一音一音を最大限鮮明に再生

の二つである。

さて、その音質であるが、もともとSHM-CDと同様に高分子ポリカーボネートを採用していることで、高音質になっていることは確かである。ダイナミックレンジ、楽器の音の粒立ち、ヴォーカルの明瞭さはSHM-CDと変わらない。

そこで、①の部分で、さらに高音質なったかというと、SHM-CD盤が作られていないので比較しようもないのだが、①で高音質になっているという実感はない。

『明日に架ける橋』は、元々の録音状態があまりよくなく、1988年にCD化された当初の月刊「Stereo」誌の録音評でも10点満点で7.5点である。特に、色々な楽器の音が重なり合う、曲のサビの部分になると、当時のオーバーダビング技術がよくなかったせいか、うるさく聴こえてしまう。それは、あくまで当時の録音状態が悪いのであって、『Blu-spec CD』化によるものではない。

一方、『聖なる剣(TOTOⅣ)』は、CD化当初の月刊「Stereo」誌の録音評で8.5点であり、水準を超えてはいるが、優秀録音までには至っていない。

いずれも2000年、2001年にデジタル・リマスターされたいるが、この「デジタル・リマスター」という言葉は曲者で、よほど高価でハイスペックのオーディオセットでなければ、言葉から感じるほど音質的な向上感が得られないの実情であろう。

だから、『Blu-spec CD』や『SHM-CD』、『HQCD』化して、初めて高音質が実感できるのである。

いずれにせよ、上記2作品は『Blu-spec CD』化されて高音質となったことは確かである。

映像のダビング方法が、VHSからDVD、ブルーレイと変化し高画質になるに従って、今まで録りためていたDVDやVHSから、新たにブルーレイ・ディスクに録りなおすように、それだけお金がかかるといっても、私は『SHM-CD』、『『Blu-spec CD』、『HQCD』化された旧作・新作を聴き続けていくだろう。

折角の高音質CD、オーディオ・ファンであれば、これを聴かずにいられない。

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2008年12月21日 (日)

金庸の世界 ・ 鹿鼎記

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金庸の最後の武侠小説『鹿鼎記(ろくていき)』(全8巻・徳間書店)を読む。

これまでの金庸作品のヒーロー達のアンチ・ヒーローとも言える韋小宝(いしょうほう)が清王朝を舞台に破天荒の活躍をする物語であり、武芸の達人をヒーローに据える金庸ファンとしては期待はずれであろうが、韋小宝は歴代のヒーローをも凌ぐ天賦の才能によって歴代ヒーローもなしえなかった偉業を達成する。その過程における物語は、抜群に面白く、さすがに金庸だとうならせるほど満足のいく作品になっている。

『鹿鼎記』の主人公・韋小宝は、花魁の母のもとで郭で育ち、父親が誰なのか何人(漢人、満州人、チベット人…etc なのか、ここが物語のオチにもなっている)わからない私生児である。まだ弱冠13、4歳の子供で、文字の読み書きができない博打好きの少年、武芸はからっきしダメだが、頭の回転が速く、悪知恵が働き、金を集めること、金を有効に使うことに抜け目なく、しかも美女となると自分のものにしたがるという、これまでの金庸作品のヒーローとは一線を画する趣があるが、義を重んじるヒーローとしてみるとなんら変わりはないのである。

舞台は、1670年ころから1680年ころまでの清朝・康煕帝(こうきてい)の時代であり、康熙帝は即位後に起こった漢人(元々の中国の支配民族)の裏切り者である呉三桂(ごさんけい)らを中心とする三藩の乱を鎮圧し、鄭氏の降伏を受け入れて台湾を併合し、清の中国支配を最終的に確立させている。対外的には国境を接するロシア(ロマノフ王朝)とネルチンスク条約を結んで東北地方の国境を確定させ、外モンゴルとチベットを服属させた。

清王朝は中国最後の王朝であり、中国の外敵でもあった女真族(のちに満州族)のヌルハチを始祖とする。康煕帝はヌルハチの曾孫にあたる。

英雄好漢に憧れる韋小宝は、天地会の首領・陳近南に憧れている江湖の侠客・茅十八(ぼうじゅうはち)とひょうんなことから友達となり、一緒に上京した折、偶然の出来事で紫禁城に監禁されるのだが、そこで少年宦官になりかわっているうちに、幼少の康煕帝と親友になってしまう。康煕帝の韋小宝に対する信頼は日増しに篤くなり、最年少で宦官のトップに登りつめる。

韋小宝はその後も大いに康煕帝のために働き、康煕帝の歴史の「呉三桂らの反乱」、「台湾平定」、「ネルチンスク条約」などの重要部分において、幼い時から三国志や孫子などの講談を聴いて育ったせいか、軍略にもその逸話を応用して大いに才知を発揮し、中国国内だけでなくロシアに至るまで縦横無尽に活躍する。そして、ついには20歳前後の若さで清朝の一等鹿鼎公にまで上り詰めるのである。果てには、出逢った7人の美女をことごとく妻にした幸福な男でもある。

しかし、そんな彼は反清復明勢力の陳近南(ちんきんなん…天地会の総舵主 武芸の達人)率いる「天地会」の直弟子であり、武芸の達人ぞろいの天地会にあって、最年少ながら、実行力と実績で青木堂・香主(天地会の派閥・青木堂のトップ)になる。天地会の幹部でありながら、親友でもある康煕帝との板ばさみに思い悩むのだが、最後には7人の妻らの妙案で、康煕帝と天地会からも離れて自由を得るのだった。

韋小宝 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%8B%E5%B0%8F%E5%AE%9D 

鹿鼎記の登場人物 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B9%BF%E9%BC%8E%E8%A8%98

に詳しく書かれている。(いずれも「ウィキペディア」より)

現在、中国でテレビドラマ化されている『鹿鼎記』が、来年日本でもDVDで発売されるらしい。ブルーレイだと尚いいのだが…。ちなみにその画像が公開されている。

http://maxam.channel.yahoo.co.jp/index.php?itemid=20

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2008年12月 6日 (土)

アラン・パーソンズ・プロジェクト SHM-CD

11月26日、アラン・パーソンズ・プロジェクトの一連の作品がSHM-CDになって発売された。私は、そのうちの『アイ・イン・ザ・スカイ』(1982年)、『ヴァルチャー・カルチャー』(1985年)の2作品を購入した。

アラン・パーソンズ・プロジェクトは、アビイ・ロード・スタジオ・エンジニアのアラン・パーソンズとソング・ライターのエリック・ウルフソンのユニットであり、彼らの音楽はピンク・フロイドらを代表とするプログレに分類されるが、その音作りからクラシック・ファンの支持層も多い。

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1. 狼星<シリウス>  2. アイ・イン・ザ・スカイ 3. チルドレン・オブ・ザ・ムーン  4. 双子宮<ジェミニ>  5. 静寂と私  6. 火傷<やけど>  7. サイコバブル  8. ママガンマ  9. ステップ・バイ・ステップ   10. オールド・アンド・ワイズ  11. 狼星<シリウス> [Demo] (MONO) (ボーナス・トラック)  12. オールド・アンド・ワイズ [Eric Woolfson Guide Vocal] (ボーナス・トラック)  13. エニイ・アザー・デイ [Studio Demo] (MONO) (ボーナス・トラック) 14. 静寂と私 [Eric Woolfson Early Guide Vocal] (ボーナス・トラック)  15. ネイキッド・アイ (ボーナス・トラック)  16. アイ・ピーセス [Classical Naked Eye] (ボーナス・トラック)

そんな彼らを注目させたのは、アルバム『アイ・イン・ザ・スカイ』からシングル・カットされた「アイ・イン・ザ・スカイ」の一大ヒットであろう。かくいう私も「アイ・イン・ザ・スカイ」で彼らを知ったのである。

このアルバムは、作品が粒だっている。「アイ・イン・ザ・スカイ」の他、「静寂と私」、「オールド・アンド・ワイズ」は傑作と言っても過言ではない。一方、『ヴァルチャー・カルチャー』にも「レッツ・トーク・アバウト・ミー」や「セパレート・ライヴス」、「デイズ・ア・ナンバーズ」、「それでも日は昇る」などの珠玉の作品が並ぶ。

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1. レッツ・トーク・アバウト・ミー  2. セパレイト・ライヴス  3. デイズ・アー・ナンバーズ (旅人は星を数える)   4. 自由はすぐそこに   5. ヴァルチャー・カルチャー   6. ホークアイ [インストゥルメンタル]   7. 悪夢   8. それでも陽は昇る   9. ノー・アンサーズ・オンリー・クエスチョンズ [Final Version] (ボーナス・トラック)   10. セパレイト・ライヴス [Alternative Mix] (ボーナス・トラック)  11. ホークアイ [Demo] (ボーナス・トラック)   12. ネイキッド・ヴァルチャー (ボーナス・トラック)   13. ノー・アンサーズ・オンリー・クエスチョンズ [The First Attempt] (ボーナス・トラック)

さて、肝心の音質であるが。やはり、SHM-CDは素晴らしい。通常CD と比較して、まずヴォーカルが明瞭である。そして、音場が広くなり、かつ前への押し出し感が強くなっている。すべての楽器のクリアさ、どれをとっても通常CDを凌駕する。『ヴァルチャー・カルチャー』は、月刊『Stereo』の録音評で10点満点をとった作品だけに、音質は『アイ・イン・ザ・スカイ』の一歩上をいく。

もともと優秀録音の2作だけに、SHM-CDでさらに磨きがかかったというところか。

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