« アラン・パーソンズ・プロジェクト SHM-CD | トップページ | 『Blu-spec CD』を聴く。 »

2008年12月21日 (日)

金庸の世界 ・ 鹿鼎記

Cimg2852a

金庸の最後の武侠小説『鹿鼎記(ろくていき)』(全8巻・徳間書店)を読む。

これまでの金庸作品のヒーロー達のアンチ・ヒーローとも言える韋小宝(いしょうほう)が清王朝を舞台に破天荒の活躍をする物語であり、武芸の達人をヒーローに据える金庸ファンとしては期待はずれであろうが、韋小宝は歴代のヒーローをも凌ぐ天賦の才能によって歴代ヒーローもなしえなかった偉業を達成する。その過程における物語は、抜群に面白く、さすがに金庸だとうならせるほど満足のいく作品になっている。

『鹿鼎記』の主人公・韋小宝は、花魁の母のもとで郭で育ち、父親が誰なのか何人(漢人、満州人、チベット人…etc なのか、ここが物語のオチにもなっている)わからない私生児である。まだ弱冠13、4歳の子供で、文字の読み書きができない博打好きの少年、武芸はからっきしダメだが、頭の回転が速く、悪知恵が働き、金を集めること、金を有効に使うことに抜け目なく、しかも美女となると自分のものにしたがるという、これまでの金庸作品のヒーローとは一線を画する趣があるが、義を重んじるヒーローとしてみるとなんら変わりはないのである。

舞台は、1670年ころから1680年ころまでの清朝・康煕帝(こうきてい)の時代であり、康熙帝は即位後に起こった漢人(元々の中国の支配民族)の裏切り者である呉三桂(ごさんけい)らを中心とする三藩の乱を鎮圧し、鄭氏の降伏を受け入れて台湾を併合し、清の中国支配を最終的に確立させている。対外的には国境を接するロシア(ロマノフ王朝)とネルチンスク条約を結んで東北地方の国境を確定させ、外モンゴルとチベットを服属させた。

清王朝は中国最後の王朝であり、中国の外敵でもあった女真族(のちに満州族)のヌルハチを始祖とする。康煕帝はヌルハチの曾孫にあたる。

英雄好漢に憧れる韋小宝は、天地会の首領・陳近南に憧れている江湖の侠客・茅十八(ぼうじゅうはち)とひょうんなことから友達となり、一緒に上京した折、偶然の出来事で紫禁城に監禁されるのだが、そこで少年宦官になりかわっているうちに、幼少の康煕帝と親友になってしまう。康煕帝の韋小宝に対する信頼は日増しに篤くなり、最年少で宦官のトップに登りつめる。

韋小宝はその後も大いに康煕帝のために働き、康煕帝の歴史の「呉三桂らの反乱」、「台湾平定」、「ネルチンスク条約」などの重要部分において、幼い時から三国志や孫子などの講談を聴いて育ったせいか、軍略にもその逸話を応用して大いに才知を発揮し、中国国内だけでなくロシアに至るまで縦横無尽に活躍する。そして、ついには20歳前後の若さで清朝の一等鹿鼎公にまで上り詰めるのである。果てには、出逢った7人の美女をことごとく妻にした幸福な男でもある。

しかし、そんな彼は反清復明勢力の陳近南(ちんきんなん…天地会の総舵主 武芸の達人)率いる「天地会」の直弟子であり、武芸の達人ぞろいの天地会にあって、最年少ながら、実行力と実績で青木堂・香主(天地会の派閥・青木堂のトップ)になる。天地会の幹部でありながら、親友でもある康煕帝との板ばさみに思い悩むのだが、最後には7人の妻らの妙案で、康煕帝と天地会からも離れて自由を得るのだった。

韋小宝 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%8B%E5%B0%8F%E5%AE%9D 

鹿鼎記の登場人物 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B9%BF%E9%BC%8E%E8%A8%98

に詳しく書かれている。(いずれも「ウィキペディア」より)

現在、中国でテレビドラマ化されている『鹿鼎記』が、来年日本でもDVDで発売されるらしい。ブルーレイだと尚いいのだが…。ちなみにその画像が公開されている。

http://maxam.channel.yahoo.co.jp/index.php?itemid=20

|

« アラン・パーソンズ・プロジェクト SHM-CD | トップページ | 『Blu-spec CD』を聴く。 »

武侠小説」カテゴリの記事