1月21日発売のBlu-spec CD、
ビリー・ジョエル『ストレンジャー(THE STRANGER)』、J.D.サウザー『ユア・オンリー・ロンリー(YOU'RE ONLY LONELY)』、ボズ・スキャッグス『シルク・ディグリーズ(SILK DEGREES)』、シャーデー『ダイアモンド・ライフ(DIAMOND LIFE)』
そして、同じくSHM-CD、
ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ(The Nightfly)』、ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ(AFTER THE GOLD RUSH)』
の計6枚を購入し、現在聴いている。
この6枚、すべて名盤であり、初めて聴いたとしても音楽心のある人ならば“名盤”ということに頷くであろうし、“名盤”の名に恥じない歴史的名品である。
高音質になってあらためて聴くと、更にこの“名盤”に心うたれてしまう。それは、いま聴いても聴くに値する“名盤”ということでもある。
そして、当然のように、そこには名曲が収められている。
○ J.D.サウザー『ユア・オンリー・ロンリー』
1. ユア・オンリー・ロンリー
2. イフ・ユー・ドント・ウォント・マイ・ラブ
3. ラスト・イン・ラブ
4. ホワイト・リズム&ブルース
5. ティル・ザ・バーズ・バーン・ダウン
6. ムーン・ジャスト・ターンド・ブルー
7. ソングス・オブ・ラブ
8. フィフティーン・バックス
9. トラブル・イン・パラダイス
なかでも私が一番好きな曲は、J.D.サウザーのアルバム・タイトル・チューン「ユア・オンリー・ロンリー」である。この切なさ、ほろ苦さ、甘いメロディ、優しい歌声は、まさに癒しのひと時をあたえてくれる。
「世界が君の小さな肩に崩れ落ちようとし、そして、孤独でちっぽけな存在に感じるとき、君を抱きしめてくれる人が必要なんだ。君が孤独なときには、ぼくの名前を呼んでもいいよ。恥ずかしくなんて思わなくていいさ。君は、ただ孤独なだけなんだよ。」
という歌詞は、一見平凡なラヴ・ソングに思えるが、そこには、男でなければできない優しさが満ちあふれているのである。このアルバムは佳曲ぞろいであるが、忘れてはならないのは、「ホワイト・リズム&ブルース」である。この曲は、当時J.D.サウザーの恋人リンダ・ロンシュタットが歌ってヒットしたが、もちろんJ.D.サウザーのオリジナルである。
そう言えば、J.D.サウザーは、昨日、WOWOWで放送していたスティーヴン・スピルバーグ監督の『オールウェイズ』の中で「煙が目にしみる」を歌っていた。
J.D.サウザーは、「もう一人のイーグルス」とか「6人目のイーグルス」などと呼ばれ、イーグルスの「ドゥーリン・ドルトン」、「我が愛の至上」、「ニュー・キッド・イン・タウン」、「ハートエイク・トゥナイト」などは彼の曲であり、新生イーグルス 『ロング・ロード・アウト・オブ・エデン(Long Road Out Of Eden)』からのファースト・シングル「ハウ・ロング」もそうである。
○ ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』

- 1.テル・ミー・ホワイ
- 2.アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ
- 3.オンリー・ラヴ
- 4.サザン・マン
- 5.やがて朝が…
- 6.オー・ロンサム・ミー
- 7.ブリング・ユー・ダウン
- 8.バーズ
- 9.アイ・キャン・リアリー・ラヴ
- 10.アイ・ビリーヴ・イン・ユー
- 11.壊れた渡し船
ニール・ヤングの「オンリー・ラヴ(・キャン・ブレイク・ユア・ハート)」も思わず涙を流してしまいそうな名曲である。こちらはラヴ・ソングというよりも、恋愛の非情さを歌ったものであり、恋に傷ついた友を救おうとする“友情”を歌ったものであるが、ニール・ヤングの独特の脆弱な歌声が何とも涙を誘ってしまう。
ニール・ヤングには、この後の『ハーヴェスト』に、「孤独の旅路」という名曲があるが、この「オンリー・ラヴ」と甲乙つけがたい。
○ ボズ・スキャッグス『シルク・ディグリーズ』
1. 何て言えばいいんだろう
2. ジョージア
3. ジャンプ・ストリート
4. あの娘に何をさせたいんだ
5. ハーバー・ライト
6. ロウダウン
7. イッツ・オーヴァー
8. 明日に愛して
9. リド・シャッフル
10. ウィアー・オール・アローン
そして、ラヴ・ソングで忘れてはならない名曲中の名曲が、ボズ・スキャッグスの「ウィアー・オール・アローン」である。この曲は、日本ではリタ・クーリッジのものの方が知られているかもしれない。もちろん、ボズ・スキャッグスのオリジナルである。
「外では雨が降り出し、どうやらやみそうにない。だから、もう泣かないで。海岸に思いを馳せれば、夢は僕らを遠くの海へと運んでくれる。果てしなく、どこまでも…。波間をくぐり、ずっと忘れられていた二人だけの空間を抜ければ、僕らは二人きり、二人きりなんだ・・・。」
当時、ニューヨークの伊達男(~私から見ると、とても伊達男には見えないのだが)と評されたボズの歌声に多くの女性が共感を覚えたに違いない。私はこの1曲を高音質で聴きたいがために、このアルバムを買い求めたのである。
○ ビリー・ジョエル『ストレンジャー』
1.ムーヴィン・アウト
2.ストレンジャー
3.素顔のままで
4.イタリアン・レストランで
5.ウィーン
6.若死にするのは善人だけ
7.シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン
8.最初が肝心
9.エヴリバディ・ハズ・ア・ドリーム
ビリー・ジョエルのアルバム・タイトル・チューン「ストレンジャー」は、日本で大ヒットした。それも、アメリカではシングル・カットされず、日本でのシングル・カットというから、やはり国によって、うける曲、うけない曲などの好みはあるのだろう。
口笛で始まるイントロ、そして、そのあとのテンポのいい快調なメロディは、まさにスタイリシッシュという名がふさわしい名曲である。本国アメリカでは「素顔のままで」が大ブレイクし、映画の挿入歌として盛んに使われた。
このころ70年代のビリー・ジョエルこそが、都会的に洗練されたビリー・ジョエルであると私は思う。80年代に入ったビリー・ジョエルは、曲自体は大ヒットしたのだが、どこか泥臭さが漂っていた。もちろん、好き嫌いは人の好みでしかないので、それによって価値が下がるというものではないのであるが…。
そして、スタイリッシュの最たる2枚が、シャーデー『ダイアモンド・ライフ』とドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』である。
○ シャーデー『ダイアモンド・ライフ』

1:スムース・オペレーター
2:ユア・ラヴ・イズ・キング
3:ハング・オン・トゥ・ユア・ラヴ
4:フランキーズ・ファースト・アフェアー
5:メイク・ア・リヴィング
6:チェリー・パイ
7:サリー
8:アイ・ウィル・ビー・ユア・フレンド
9:ホワイ・キャント・ウィ・リヴ・トゥゲザー
シャーデーは、そこにゴージャスかつミステリアスな雰囲気が漂う。シャーデーは女性ヴォーカリストでソング・ライターのシャーデー・アデュを中心としたバンドであり、ソロ・シンガーではない。もっともソロでも変わらないかもしれない。(今ではソロになっている)
このアルバムからは、「スムース・オペレーター」、「ユア・ラヴ・イズ・キング」、「チェリー・パイ」、「ハング・オン・トゥ・ユア・ラヴ」、「サリー」などほとんどの曲がヒットしたが、「スムース・オペレーター」を初めて耳にした時の衝撃は忘れられない。
シャーデー・アデュはナイジェリア人、その独特の歌声にはソウルとジャズテイストがあり、Blu-spec CD化により、更に魅力を増した感がる。ただし、初めて聴いた人は、このアルバムの写真のシャーデー・アデュを想像して聴くのが一番であり、けっしてLIVEを見てみようと望まない方がいいだろう。実際のシャーデー・アデュは、口がばかでかく、こんなに美人ではないので、きっと失望するだろう。かく言う、私もその一人だから…。
○ ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』
1.I.G.Y.
2.グリーン・フラワー・ストリート
3.ルビー・ベイビー
4.愛しのマキシン
5.ニュー・フロンティア
6.ナイトフライ
7.グッドバイ・ルック
8.雨に歩けば
最後に、ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』であるが、このミュージック・センスあふれたアルバムは、スティーリー・ダンから一歩跳び越えた魅力がある。
このアルバムからは、「I.G.Y」、「ニュー・フロンティア」がヒットしたが、8曲全て傑作であり、これらの曲をロック、ジャズ、ポップスなどのジャンルでは括り得ないプラスαの魅力を持っている。その中でも、私は「愛しのマキシン」が好みである。音質的には、6作品の中で、この『ナイトフライ』が最も高音質であり、聴いていて心地よい。
『SHM-CD』と『Blu-spec CD』、立ち上がりの早かったSHM-CDは、3月発売予定を含めて今や2400タイトルを超える数になっている。一方、Ble-spec CDは昨年の12月に発売開始されたばかりだが、名盤を中心にBle-spec CD化を図っている。
今後、どんなアルバムが取り上げられていくか楽しみであるが、邦楽に重点を置いている(?)『HQCD』の今後に期待したい。
ただ、ひと言、『SHM-CD』、『Ble-spec CD』、『HQCD』を制作されている方に申し添えたいことがある。それは、更なる音質向上のため、洋楽は日本盤のマスターを使わずに洋盤のマスターを使って欲しいということ。