ロマン派と象徴派の画家たち 1
( カスパー・ダヴィッド・フリードリヒ 『月を眺める男女』)
一口にロマン派(Romanticism ロマン主義)といっても18世紀末から19世紀にかけての哲学、文学、美術、音楽、果ては政治にまで及ぶのであるが、こと絵画におけるロマン主義は、古典的・伝統的な“見えるもの”を描くのではなく、“見えないもの”を描く試みであったと言える。それは、「死」であったり、「夢」であったり、「無意識」であったりする。
それは、イマージュの世界であり、言葉では言い表せないものである。そして、そこから究極のイマージュを追求した19世紀末の象徴派(Symbolism 象徴主義)が派生していくのである。いずれも世紀末に台頭したということで共通する。
ロマン派の作家といえば、その代表格はカスパー・ダヴィッド・フリードリヒであり、象徴派の代表格はギュスターブ・モローだと言えよう。そして、ロマン派から象徴主義への橋渡しをしたのがダンテ・ガブリエル・ロセッティやエドワード・バーン=ジョーンズではないだろうか。
私が、ロマン派や象徴派に魅せられるのは、彼らの描く絵に“崇高な死の翳”が色濃く漂っているからである。それは未知の領域、かつ神秘の領域でもあり、生あるものが絶対に避けることのできないものこそが、“死”であるからに他ならないのだ。
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