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2009年5月

2009年5月14日 (木)

ロマン派と象徴派の画家たち 2

クノップフ (フェルナン・クノップフ 1858-1921 ベルギー)

Memories(パステル画)

Khno01

クノップフは象徴主義の作家の第一人者である。その第一人者たらしめる一枚の作品こそが『Memories』であろう。

この絵には、何とも言えない不思議さが漂っている。

一見すると、これからテニスをしようとするために集まった女性たちでもあり、テニスをし終わって帰ろうとしている女性たちのようにも観える。

もちろん、100年以上もの前、はるか昔の貴族階級にしかできなかったテニスである。そして、「昔はこんな格好でテニスをしていたのか」と思うだけで、次の絵を観てしまう。

しかし、もう一度、戻って観てみると、最初に観た印象だけではすまなくなる。「何かが違う」、「どこか、不思議だ」という具合に。

この絵に登場している7人の女性は、互いに視線を交わしていない。右に横顔を向けている2人以外は視線の方向も様々である。

そして、この絵を観るであろうギャラリーにさえも視線を向けていないのである。

不思議なのは、それだけに止まらない。7人の女性の顔をよく観ると、みな似た顔をしているのだ。(もっとも、判別できるのは5人であるのだが…)

それもそのはず、この絵のモデルはクノップフの妹・マルグリットなのである。

7人の女性の中で、ただ1人だけ帽子をかぶらず、ラケットも持っていない女性が描かれているが、クノップフはこの女性の分身として他の6人を描いた。その女性は、まるでウエディングドレスのように白いドレスを着ているではないか。

タイトルが『Memories』(記憶もしくは思い出)となっていることを鑑みれば、おそらくこの先嫁いでいくだろう妹を自分の「記憶に刻み込む」ために描いたのだろう。

いや、それだけでは、この絵の不思議さは伝わってこない。記憶に刻み込むためなら、淡くなっていくパステル画にはしなかったろう。

記憶や思い出は、その人の「死」によって淡くなっていく。だからこそ、今ある「生」が美しく感じられるかもしれない。そして、だからこそ、クノップフはパステルでそれを象徴として描いた。

クノップフは、「記憶」とは裏返しの、今現在の現実に存在する妹の「美」そのものを、誰にも目を合わせないように、自分ひとりのものにして、この作品に封じ込めたのではないだろうか。

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2009年5月 7日 (木)

拓郎の超レア楽曲~YOU TUBEから~

またまた吉田拓郎であるが、63歳で新作のアルバム『午前中に』が最年長記録でベスト10入りを果たしたという。そんな記録はどうでもよいことだが、このアルバムは小説にたとえると私小説である。拓郎の今の心境がそこはかとなく伝わってくる。そして、その心境は私たちにも共鳴してやまないのである。

ところで、5月5日、NHK-FMで午後1時から午後11時にかけて、『拓郎三昧』と銘打って放送された。他のアーチストたちに提供した曲も特集するということで、私は「君うるわしのかんばせ」の改訂版で、清水健太郎の「さらば」をリクエストしたがかからなかった。もちろん私は、清水健太郎のファンでも何でもない。ただ、拓郎が提供した曲の中でも貴重な作品であり、何と言っても楽曲がいいからだ。

拓郎三昧』では、約10時間近くにわたって77曲(重複あり)がかかったが、拓郎が他のアーチストなどに提供した曲は、「全部抱きしめて」と「風になりたい」くらいのものであった。また、特別めずらしい音源もなかった。中でも、過去にNHK・スタジオで収録されBS2で放映された「落陽」のテープ音源が出色のできであったが、これはすでに私も録画済みのものである。

そのあと、YOU TUBEを観ていると拓郎の超レアな音源が見つかったので、ここに記録しておく。

 (フジカラーCM 『いま、このときめきを』 作詞・作曲・吉田拓郎 歌・沢田研二)

(フジカラーCM 『Have A Nice Day~天然色写真編』 作詞・作曲・歌 吉田拓郎)

 

(フジカラーCM 『Have A Nice Day』 作詞・作曲・歌 吉田拓郎)

(LIVEのみで歌った曲 『僕の1番好きな歌は』)

(LIVEのみで歌った曲 『都道府県』)

(LIVEのみで歌った曲 『家族』)

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2009年5月 6日 (水)

SHM-CDとBlu-spec CDを聴き比べる。

Photo 図らずも同じ日の4月22日に発売された、吉田拓郎の「SHM-CD」と「Blu-spec CD」のベスト盤を聴き比べることとなった。

SHM-CD」は『THE BEST OF PENNY LANE』、「Blu-spec CD」は『拓郎ヒストリー』、いずれもレーベルはフォーライフ・ミュージックである。

同じレーベルで、それぞれ違うディスクで出すというのは、フォーライフ自体が両者を聴き比べようとした意図だったのか、今後どちらで出そうかという意図があったのかは定かではないが、ともあれ、ファンとしては高音質で拓郎を聴けるのは、嬉しい限りである。

さて、肝心の音質であるが、2枚のアルバムに共通している曲は、「今日までそして明日から」、「明日に向かって走れ」、「流星」、「人生を語らず」、「永遠の嘘をついてくれ」、「唇をかみしめて」などであり、これらの曲を聴き比べしてみた。

最初に聴いたのは、「SHM-CD」の方だ。当然の如く音はよくなっている。録音が古いものが多いだけ抜群に音がよくなったという印象はないが、通常CDに比べ、確実に高音質になっていることは確かである。

次に、「Blu-spec CD」を聴いてみた。どことなく、「SHM-CD」に比べ、繊細さがプラスされたような印象を受けた。

そして次に、両者に共通する曲を1曲ずつ何度も聴き比べてみた。その結果、「Blu-spec CD」の方が、楽器の音色とヴォーカルが引き締まって繊細さ~一音一音のきめ細やかな粒立ち~が増し、ダイナミック・レンジが気持ち増しているように感じた。

つまり、私が試聴した限り(私見・私感)において、「Blu-spec CD」の方がより高音質であるという結論に達したのである。

それは、「SHM-CD」がCDの素材にカーボネイトを使用しているだけに対し、「Blu-spec CD」の方は、カーボネイト素材にプラスして、カッティング技術にBlu-rayの技術を応用しているからであろうと思える。

気になるのは、「Hi Quality CD」との聴き比べであるが、私の趣味で「Blu-spec CD」と共通する「Hi Quality CD」が発売されるか否かにかかっている。

その日を楽しみにしたい。

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2009年5月 4日 (月)

さらば! 忌野清志郎

Cimg1559_25月2日、忌野清志郎が逝去した。テレビなどで報道されたのは3日の夜であった。私としては、拓郎のように復活してくるものだと思い込んでいた。

それだけ、忌野清志郎の死は信じがたいものであった。それも58歳という若さであっけなくこの世から去っていってしまうとは…。

私が高校生のころ、「宝くじは買わない」でデビューしたRCサクセションが、表舞台に登場しはじめたのは、その2年後の1972年の『ぼくの好きな先生』が話題になってからだった。

「たばこと絵具のにおいのぼくの好きなおじさん…♪」というフレーズは、聴いた途端に耳から離れなくなった。そして、電話の最長通話時間『2時間35分』をタイトルにした「ガジャ、ガシャ、ガシャ、ガシャ、2時間35分…♪」、ちょっとわいせつな『雨上がりの夜に』の「こんな夜にお前に乗れないなんて…、こんな夜に発車できないなんて…♪」、印象的なフレーズが記憶に残っている。ただし、初期のころの歌ばかりである。

RCサクセションの曲で私が一番好きなのは、『スロー・バラード』だが、どちらかというと、初期には通受けしていたRCサクセションも、ヴィジュアル系にいつの間にか転向してから、ミック・ジャガー風の歌い方ばかりが目立ちはじめるようになってしまった。

マスコミでは、日本ロックの草分けとして紹介しているようだが、亡くなれば祭り上げるような物言いはどうだろう。RCの前には『フラワーズ』や『はっぴいえんど』なんどのカリスマバンドもいた。

たしか、RCサクセションがデビューしたころは、ジャンル分けをしたくはないが、フォークの分野で括られていたのである。

私から見れば、忌野清志郎は、曲や歌よりもキャラクターで際立っていたシンガーような気がする。飄々としたイメージ、しかし、それは本当の彼だったのだろうか…。

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