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2009年9月 9日 (水)

ロマン派と象徴派の画家たち 6

モロー (ギュスターブ・モロー 1826-1898 フランス)

Moreauオイディップスとスフィンクス(1864年 油彩)

1864年、モローの『オイディプスとスフィンクス』は、パリのサロンで好評を博し、一躍有名となった。

そして今、『オルトロスの犬』という「神の手」と「悪魔の手」をめぐるドラマでもこの絵が使われている。

モローは、「ロマン派と象徴派の画家たち 1」にも書いたが、イギリスを中心としたラファエル前派から派生した象徴主義絵画の代表格である。

そもそも象徴とは、ある一つのものを提示することによって、もう一つのものを暗示することである。

つまりは、死を描くことによって生を象徴する。その逆もまた同じである。

イマージュがイマージュを生む。幻視が幻視を呼ぶ。イマージュと幻視の重層化こそが象徴なのである。

象徴派絵画に向けた視線は、その絵画から生まれる異質な二つ以上のものの領域に溶け込み、かつ変容しながら、ある一つのものに統合させつつ、新しいイマージュの世界を現出させていくのである。

モローは宗教や神話を素材にその幻視の世界を描いた。そこにイマージュされるのは、「愛」であり、「性」であり、「哀しみ」であり、「悦び」であり、そして、「生」と「死」、「現実」と「夢」、「闇」と「光」、あるいはその複合体などなど、観る者によって様々に姿を変えるのである。

この絵を描いた3年後、モローの「プロメテウス」はサロンで酷評され、その後9年間、彼は沈黙する。しかし、「サロメ」の連作によって、再びよみがえるのである。

象徴派の画家たちが描く絵には、神秘的な美と退廃的な美が漂う。そして、私がモローの描く絵に惹かれるのは、より一層の神秘と退廃をそこに嗅ぎとれるからに他ならない。

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